- Yoshiba Ryutaro
- 2010/10/22 09:00
- Technology
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Tidy First? ―個人で実践する経験主義的ソフトウェア設計
- 著者/訳者:Kent Beck、 吉羽 龍太郎、 永瀬 美穂、 細澤 あゆみ
- 出版社:オライリー・ジャパン
- 発売日:2024-12-25
- 単行本(ソフトカバー):164ページ
- ISBN-13:9784814400911
- ASIN:4814400918
脳に収まるコードの書き方 ―複雑さを避け持続可能にするための経験則とテクニック
- 著者/訳者:Mark Seemann、 吉羽 龍太郎、 原田 騎郎、 Robert C. Martin
- 出版社:オライリー・ジャパン
- 発売日:2024-06-18
- 単行本(ソフトカバー):312ページ
- ISBN-13:9784814400799
- ASIN:4814400799
Transcript
1.
スプリント バーンダウンチャート ⻁の巻 2010/12/22 スクラム道.02 #scrumdo Ryutaro “Ryuzee” YOSHIBA http://www.flickr.com/photos/27682549@N06/
2.
⾃⼰紹介 Ryuzee @ryuzee http://www.ryuzee.com/ http://www.flickr.com/photos/adforce1/2539903964/
3.
アジャイルコーチ 認定スクラムマスター オープンソース開発者、翻訳者 Shibuya.trac(#shibutra)のスタッフ スクラム道(#scrumdo)のスタッフ TIS,野村総合研究所を経てベンチャーのCTO http://www.flickr.com/photos/royskeane/413103429/
4.
告知 CSPO 2011/1/11,12に認定ス クラムプロダクトオー ナー研修開催! 講師はジェフ・サザー ランド⽒! みんなでCSP 国内のスクラム熟練者 みんなで認定スクラム プロフェッショナル資 格とろうよ計画あり! http://www.flickr.com/photos/epha/4388625060/
5.
はじめに • この資料内では、「バーンダウン」はスプリ ントバーンダウンを指します。 • 対象となるチームはアジャイル開発の経験が 多くはないチームや外圧が多いチームです。 • ソフトウェア開発はコンテキスト依存性が⾼ いので、この資料の中の項⽬を単純にあては めないでください。考えるヒントとして扱う こと。 http://www.flickr.com/photos/hckyso/2828981813/
6.
復習! バーンダウンとは何か http://www.flickr.com/photos/frinthy/4680321558/
7.
スプリント計画 チームの キャパシ ティ プロダク トバック ログ ビジネス の状況 現在のプ ロダクト 技術要素 ※スプリント計画会議は通常2部構成で⾏う スプリント計画会議 スプリント優先付け • • プロダクトバックログを分析・評価 する スプリントのゴールを選択する スプリン トゴール スプリント計画 • どのようにスプリントゴールを達成す るか決める (計画) • プロダクトバックログアイテム(ユー ザーストーリーやフィーチャー)から スプリントバックログの作成 (タスク) • スプリントバックログを時間で⾒積る マイクコーン⽒のAn overview of Scrum (⽇本語訳@ryuzee)より引⽤ スプリン トバック ログ
8.
スプリントバックログ① • プロダクトバックログアイテムをタスクに細 分化する • タスクは時間単位でチームで⾒積もる • 1タスクの最⼤時間は8時間までとする(=⼤ きくなればなるほど⾒積もり精度は下がる) • このタスクを⼀覧化したものがスプリント バックログ
9.
バーンダウンチャート http://www.flickr.com/photos/kakutani/2761992149/
10.
バーンダウンチャート • 全タスクの残り時間の⾒積もりの合計を⽇次 で折れ線グラフにしたもの • 縦軸に残り時間、横軸に経過スプリント⽇数 を設定 http://www.flickr.com/photos/96dpi/2377535637/
11.
バーンダウンから分かること • チームの計画づくりがどのくらいうまくいっ ているか • スプリント内で対応するストーリーにどのく らい対応できているか • チームが⾃⼰組織化されていて、チームとし て活動できているか • チームとして改善できることは何か
12.
バーンダウン パターンリーディング http://www.flickr.com/photos/nolifebeforecoffee/124659356/
13.
基本3パターン http://www.practiceagile.com/2010/02/sprint-burndown-says-lot-about-your.html
14.
Line1 ⻘⾊のラインから何を考える? http://www.practiceagile.com/2010/02/sprint-burndown-says-lot-about-your.html
15.
Line1パターンの考察 多くのストーリーを実装しようとしすぎた 開始してから分からないことが沢⼭でてきた コードの品質が悪くてバグが沢⼭出た 技術的負債が増えてしまったために追加タス クが増えた • 過去のスプリントがずっとこのパターンなら チームのキャパシティはもっと低い • • • •
16.
Line2 紫⾊のラインから何を考える? http://www.practiceagile.com/2010/02/sprint-burndown-says-lot-about-your.html
17.
Line2パターンの考察 • 理想線とは乖離しており、スプリント最後に 追い込みしている • チームが正しく毎⽇タスク残時間を更新して いない可能性 • 終っていないストーリーを他のスプリントに 移動した可能性 • リファクタリングやテストで⼿を抜いた可能 性
18.
Line3 緑⾊のラインから何を考える? http://www.practiceagile.com/2010/02/sprint-burndown-says-lot-about-your.html
19.
Line3パターンの背景と考察 • チャートだけならうまく⾏っている • 実際にうまく⾏っていることも多い • ただしLine2パターンの内容が含まれている 可能性は否定できない • 特に外部からバーンダウンの残時間0が強く 要求されてしまう環境は注意
20.
ソフトウェアの複雑性 • 通常、スプリント計画ミーティングでは、ス プリントバックログの60〜70%しか出て来 ないことが多い。残りはあとで対応する。あ るいは、とりあえず⼤きな⾒積もりをしてお いて、あとで分解する。 • 従ってスプリント開始からしばらくの間は残 時間が減らない、もしくは増えてしまうとい う事象は必ず発⽣するし、⾃然なことである。
21.
早期学習パターン スプリント早期に残り時間が増えている。⾒積もり切れなかった 項⽬の存在や⾒積もり精度の問題が顕在化。早期なら健全
22.
学習遅延パターン(1) 中期まで残り時間が増え続ける。早期に学習できなかった可能性 や、優先度やリスクの⾼い項⽬に早期着⼿しなかった可能性
23.
学習遅延パターン(2) スプリント失敗パターン。このような線が最後まで継続しないよ うに中期の段階で対応が必要だったのにそれを怠った可能性。
24.
異常検知 スプリント中盤で残り時間の⾒積もりが急激に増えている。重⼤ な⾒落としや、外部からの変更要求を受け⼊れた可能性
25.
新たな指標の追加 http://www.flickr.com/photos/ljpixie75/374728063/
26.
指標追加の意義とポイント • バーンダウンだけでは分からないことを即時 把握することができるようにする • バーンダウンから想定した問題点の裏付けに 使う • データ収集の⾃動化は必要 – そもそもデータが集められないのであれば、その 点はプロセス改善のポイントである。 • どんな指標を使うかという問には正解はない
27.
追加する指標 • • • • • • • • ソースコード⾏数 ユニットテスト件数 ⾃動結合テスト件数 ビルド失敗数 コミット回数・時間 完了分ストーリーポイント 完了済みタスク数 割り込み作業数や延べ時間
28.
ソースコード⾏数を追加 ソースコードが線形に増加していることから、コピーペーストに よる間に合わせや、リファクタリングがされていない可能性
29.
ユニットテスト件数を追加 テストの件数がスプリント後半で増えていない。残時間を0にす るためにテストを端折った可能性も。
30.
コミット時間を追加 最終コミット時間がスプリント後半になるにつれて遅くなってい る。持続可能なペースでない
31.
完了分ストーリーポイントを追加 ストーリー単位での完了がなかなかしていない。まとめて◯◯病。 最終的にどのストーリーも完了しないリスクがあるかも。
32.
割り込み作業時間を追加 割り込み作業時間と残作業時間の関連性を検証。割り込みが⼀定 量ある場合はキャパシティプランニングの⾒直しが必要
33.
その他の活⽤⽅法 http://www.flickr.com/photos/jnicho02/2635228821/
34.
Retrospectiveに活⽤する 11/19にマイクが病 気で休んじゃったよ バーンダウン上に、スプリント内で発⽣したイベント等をプロッ トし、改善点がないか確認する。
35.
複数スプリント間で分析する • 発⽣している問題が⼀過性の問題なのか、 チームの問題なのかを明らかにする。 • 複数スプリントのバーンダウンを並べて⽐較 する。 • 特に問題とすべきは、以下の項⽬ – 毎回0に収束していない – スプリント開始後⼀定期間たっても残り時間が増 加し続けている – 後半追い込み癖 – まとめて◯◯癖
36.
バーンダウン アンチパターン http://www.flickr.com/photos/rizzato/2663036655/
37.
バーンダウンアンチパターン • バーンダウンだけを⾒て全てを判断する • →現場百編。数値だけでなくチームの雰囲気 やメンバーの顔⾊を⾒る http://www.flickr.com/photos/pooniesphotos/4249354280/
38.
バーンダウンアンチパターン • 0に収束させることだけに拘る • →本質的な問題の把握と解決なしに闇雲に0 にすることを求めるとチームが燃え尽きる http://www.flickr.com/photos/thetruthabout/2665403018/
39.
バーンダウンアンチパターン • バーンダウンの結果を⼈事考課に使う • →評価されることしかしなくなったり、タス クの⾒積もり時間を過⼤に設定しやすくなる。 http://www.flickr.com/photos/ninefish/176563515/
40.
バーンダウンアンチパターン • DONEの定義を決めていない • →作業完了の基準が⼈によって異なるため作 業時間の⾒積もりの意味をなさない
41.
バーンダウンアンチパターン • タスクの⾒積もりを誰かが1⼈で⾏う • →この時点でアジャイルのメリットをほとん ど捨ててしまっている。 http://www.flickr.com/photos/juank_madrigal/3184407841/
42.
バーンダウンアンチパターン • スプリントバックログとバーンダウンが⾒え ない場所においてある • →チーム全体で仕事を進める上での⽣命線な ので常時閲覧可能にすること。 http://www.flickr.com/photos/chongchiang/3112794771/
43.
バーンダウンアンチパターン • スプリントバックログに載っていないタスク が⼀杯ある http://www.flickr.com/photos/miskan/7240060/
44.
バーンダウンアンチパターン • バーンダウンに理想線が引かれていない、も しくは理想線がチームのキャパシティを超え ている http://www.flickr.com/photos/hwat/43562167/
45.
バーンダウンアンチパターン • 複数スプリントを経た後でもバーンダウンが 乱⾼下する • →過去のスプリントの経験がチームに蓄積さ れておらず、改善する意欲がチームに⾜りな いか、外圧を受けている http://www.flickr.com/photos/wazdog/1669981/
46.
http://www.flickr.com/photos/oberazzi/318947873/
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